PCB特措法における処理期限を解説|処分の期限が過ぎたらどうなる?正しい処理方法は?
  • PCB廃棄物の処理期限はいつまで?
  • 処分の期限が過ぎたらどうなる?
  • いま使っているPCB含有製品はどうすれば良い?

本記事ではご覧のような疑問を解消すべく、PCB特措法に基づく処理期限やこれからの対処法について解説していきます。

PCBは油状の物質であり、合成化合物の一種です。絶縁性や耐熱性に優れていることから、過去には工業用の機械や照明器具の安定器などによく使われていました。

しかし、昭和中期~後期にかけてPCBは人体に対して有害であることが判明し、現在は製造・使用がすべて禁止されています。

健康被害をもたらす恐れがあるPCB使用製品を確実かつ速やかに回収するため、日本ではPCB特措法に基づき「処理期限」を設定しています。(低濃度PCB廃棄物の処理期限は2027年3月末

本文ではPCB廃棄物の処理期限だけでなく、処理する際の流れや特措法に違反した場合の罰則なども詳しく紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。

PCB特措法における処理期限について

ここではPCB特措法の内容に沿って処理期限や処理方法を説明していきます。

PCB含有の製品を使用、または保有している可能性がある方は、こちらをよく理解しておきましょう。

PCBの処分は法律(特別措置法)によって期限が決まっている

PCBを使用している製品の処理期限や処理方法はPCB特別措置法によって決まっています。なお、PCB特措法は2001年に制定された法律です。

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は化学的に安定した性質を持つ物質で、昭和初期~昭和後期にかけて製造された機械類の絶縁油や安定器などに使用されていました。

PCBは非常に汎用性の高い物質として扱われていましたが、1968年(昭和43年)にPCBを原因とした大規模な食中毒事件が発生し、その有害性から1972年(昭和47年)に製造・使用が禁止となっています。

昭和40年代にはPCB含有製品の製造が禁止されたものの、以降に造られた製品にもPCBが含まれていた事例がいくつも発覚したことから、より規制を強めるためにPCB特措法(2001年)を制定したということです。

高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物の分類および処理期限

PCB特措法に基づくPCB廃棄物の分類と処理期限は以下の通りとなっています。

項目高濃度PCB廃棄物低濃度PCB廃棄物
(不燃性)
低濃度PCB廃棄物
(可燃性)
特措法による処理期限2023年(令和5年)3月末まで※すでに経過2027年(令和9年)3月末まで2027年(令和9年)3月末まで
PCB濃度5,000mg/kg超0.5超~5,000mg/kg100,000mg/kg以下
廃棄物の区分特別管理産業廃棄物特別管理産業廃棄物特別管理産業廃棄物

ご覧のようにPCB濃度が一定の基準を超える「高濃度PCB廃棄物」の処理期限はすでに過ぎています。

なお、期限までに保管の届出(高濃度PCB廃棄物)があったものに関してはすべて処理が完了したとのことですが、PCBの使用有無が分からずに放置されている廃棄物がどこかに残っている可能性は十分あります。

特に確認と調査が求められるのは、現在までに改修がおこなわれていない古いビルや倉庫といった建築物です。ひとつの目安として、1977年3月(昭和52年)までに竣工した事業用の建物にはPCB製品が使われている可能性が高いと考えられています。

PCBが含まれる変圧器・コンデンサー・蛍光灯などが劣化し、中からPCBが漏れ出すと健康被害に繋がる恐れがあるため、建物や機械類の所有者はできるだけ早くPCB調査をしなければなりません。

PCB 特措法に基づき低濃度 PCB 廃棄物の処分期限は令和 9 年 3 月 31 日までとなっていますので、使用中の低濃度 PCB 含有電気工作物については計画的な廃止を検討いただきますようお願いします。

引用:PCB廃棄物の処理(PCB特別措置法)について|経済産業省HP

省庁からも「計画的な廃止(廃棄処分)」に関するアナウンスがおこなわれていますので、速やかにPCB製品またはPCB廃棄物を処理するよう努めてください。

高濃度・低濃度PCB廃棄物の処理方法と流れ

PCB廃棄物はすべて「特別管理産業廃棄物」として扱われています。

特別管理産業廃棄物には一般的な産業廃棄物よりも「毒性が強いもの」または「爆発の恐れがあるもの」が指定されていますが、PCB廃棄物もそのうちのひとつです。

PCB廃棄物を処理する際の流れ
  1. 機械やその他の製品にPCBが含まれているかどうかを調査
  2. 調査の結果、PCBが含まれていた場合は廃棄処分を検討(※)
  3. 特別管理産業廃棄物の収集運搬業許可を得ている業者を選定
  4. PCB廃棄物の回収(マニフェストの発行)
  5. 返送されたマニフェストを受け取り処理完了

古いビルや工場で今も使用している蛍光灯や電気工作物にPCBが含まれているかどうかを調査したい場合は、まず各自治体(都道府県)の担当部署まで相談してみましょう。

調査した結果、PCBが含まれていたときには必要な届出を提出しなければなりません。(保管等の届出を怠ると罰則の対象となる)

なお、PCBの濃度が「高濃度PCB廃棄物」の基準に達しているものは即時処分することになります。(すでに期限が過ぎているため)

「低濃度PCB廃棄物」に関しては処理期限まで使用することが可能です。ただし、処理期限が迫っていることを考えると、廃棄を検討した方が良いと言えるでしょう。

PCBの処理期限に関してよくある質問

ここからはPCBの処理期限に関してよくある質問に答えていきます。

「PCB特措法に違反した場合の罰則は?」「PCBの処理期限は延長される?」などの疑問をお持ちの方は、こちらの内容を参考にしてください。

PCB廃棄物を所有したまま処理期限が過ぎたらどうなる?

決められた処理期限を超えてPCB廃棄物を所有していると、PCB特措法違反によって罰則を受ける可能性が出てきます。

PCBに関係した法律違反罰則
・規定を破る形でのPCB廃棄物の譲り渡し、又は譲り受け
・都道府県からの改善命令に対する違反
・3年以下の懲役
・1000万円以下の罰金
・上記の併科
・提出すべきPCB保管状況の届出義務に関する違反、又は虚偽の届出・6か月以下の懲役
・50万円以下の罰金
・承継の届出義務違反、又は虚偽の届出
・検査又は収去の拒否や妨害等
・30万円以下の罰金
・無許可の処分業者、回収業者への作業委託・5年以下の懲役
・1000万円以下の罰金
・上記の併科
・廃棄物の不法投棄・5年以下の懲役
・1000万円以下の罰金
・上記の併科
※排出事業者が法人の場合は3億円以下の罰金刑
参考:ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法|e-GOV 法令検索

2024年時点で処理期限を過ぎていないのは「低濃度PCB廃棄物」です。法律的には2027年3月末まで使用できるものの、以降に関しては原則として保管・使用ができません。

処分期間を過ぎて低濃度 PCB 廃棄物を保管している事業者は、届け出を行わなかった場合や自治体の行政指導に従わなかった場合等に、PCB 特措法第 31 条、32 条、33 条に基づき、罰則を科す場合があります。

引用:PCB廃棄物の処理(PCB特別措置法)について|経済産業省HP

上表の罰則内容と引用部分を合わせて考えると、PCB廃棄物を所有したまま処理期限を過ぎた場合は「自治体(都道府県)からの改善命令に従わなかった」という違反に該当する可能性が高いと言えます。

そういったケースでは3年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその併科になるということです。

低濃度PCB廃棄物の処理期限が延長される可能性は?

低濃度PCB廃棄物の処理期限は「2027年3月末まで」です。すでにPCB特措法により決定している事項なので、この期限が延長する可能性はほぼセロと考えられます。

処理期限が延長されることを期待して、手元に残っている機械類を使い続けるのは得策ではありません。

そもそもPCBはいつから使用禁止になっている?

国内では昭和47年(1972年)に生産・輸入が禁止されました。

引用:PCB機器の処理促進について|経済産業省HP

ご覧の通り、PCBの生産や輸入は1972年から禁止となっています。ただし、以降に製造された一部製品にPCBが使用・混入していた事例もあるため、1972年以降のものなら確実に安全(PCB不使用)というわけではありません。

1972年(昭和47年)以降、通商産業省(当時)の通達に基づき、電気機器へのPCB(ポリ塩化ビフェニル)絶縁油の使用を中止していますが、2000年(平成12年)7月に電気絶縁油(JISC 2320)を使用した一般産業用変圧器の一部から極微量のPCBが検出されたとの事例報告が一般社団法人日本電機工業会(JEMA)にありました。

引用:微量PCBの混入可能性に関する見解について|ニチコン

PCBの処理期限が過ぎる前に信太商店まで相談

「低濃度PCB廃棄物」の処理期限が2027年3月末までに迫る中、同廃棄物の処分にお困りの場合には信太商店までご相談ください。

当社はPCB廃棄物の回収を実施している専門業者です。特別管理産業廃棄物の収集運搬業許可を得た上で、正当なサービスの提供をおこなっています。

信太商店はPCB対応の回収業者|特別管理産業廃棄物の許可取得済み

事業者名信太商店
所在地東京都渋谷区富ヶ谷2-5-6(本社)
東京都渋谷区笹塚3-44-8(笹塚営業所)
設立年月日平成22年(2010年)4月23日
主な事業内容産業廃棄物収集運搬業、沈没船引き揚げ・解体処分等、一般貨物自動車運送業、リサイクル事業、樹木の伐採および木材販売事業、蜂の巣駆除および回収
取引先・一例NHK、防衛省、ヤマト運輸株式会社など多数
許可・免許等【産業廃棄物収集運搬業】
・東京都許可   第1300154938号
・千葉県許可   第1200154938号
・埼玉県許可   第1100154938号
・神奈川県許可 第1400154938号
・群馬県許可   第01000154938号
・栃木県許可   第00900154938号
・茨城県許可   第008011154938号
・静岡県許可   第02201154938号
【特別管理産業廃棄物収集運搬業許可】
・東京都
・千葉県
・神奈川県指令 資循第6002号
【ほか許可・免許等】
・古物商
・一般貨物自動車運送業
・解体工事業
・移動式クレーン免許/小型移動式クレーン/2級建築施工管理技士/フォークリフト/酸素欠乏危険作業主任者など
営業時間受付時間 8:00~20:00
業務時間 24時間対応
公式URLhttps://www.shida-eco.com/

当社は東京都渋谷区に本社を構える産業廃棄物回収業者です。

東京都・千葉県・神奈川県における「特別管理産業廃棄物収集運搬業許可」を取得しており、特措法に指定されるPCB廃棄物の取り扱いが可能となっています。

もちろん、その他の産業廃棄物も回収できますので、ビルや工場の解体に伴い排出される事業系ゴミをまとめて処分したい場合には信太商店までご依頼ください。

信太商店の連絡先・問い合わせ先|見積もりはすべて無料

当社の連絡先または問い合わせ先は以下の通りです。

電話番号フリーダイヤル:0120-937-277
笹塚営業所:03-6381-6141
問い合わせフォームhttps://www.shida-eco.com/contact
メールアドレスshida@shida-eco.com

「大量のPCB廃棄物を回収してもらいたい」「できればすぐに来てもらいたい」などのご要望にもお応えしていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

なお、PCB廃棄物の回収依頼はその旨を先にお伝えいただけるとスムーズに対応が進められます。

まとめ

PCB特措法によって定められているPCB廃棄物(低濃度)の処理期限が2027年3月末までと迫っています。

期限ギリギリまで廃棄を延ばしていると処分が間に合わなくなる可能性も出てきますので、できるだけ早めに動きだしましょう。

PCB廃棄物の回収先をお探しの方には信太商店の利用を推奨しています。当社であれば迅速かつ安全にPCB廃棄物を回収できますので、まずは一度お問い合わせください。

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