この石はどこの石でしょう


重さ5トンくらいの石ですがさてどこ産の石でしょう。
よくお客様から受ける質問で「どこから持ってきた石だろう」とか「珍しい石なのかしら」などと話が出ます。
日本は火山地帯である関係から石は古くから全国各地で算出されてきました。コンクリートがない時代では耐火性も高いですし、耐久性も高いので重宝されていたようです。
さて、この写真の石、現場は栃木県那須塩原市です。同じような庭石が約50トンほどある庭で、庭としてはかなり立派なレベルです。
栃木県産の石としては堆積岩の大谷石が有名ですが見たところ大谷石でないことは分かりますね。ほかには岩舟町で取れる岩船石というのもありますがこちらも堆積岩ですし、柔らかすぎるのと自然の風合いよりも加工して敷石などとして楽しむ感じなので違います。
となると県外からの持込の石ですね。可能性があるのは茨城県の「筑波石」。見た感じかなり似てます。そこまで固くないのも似てます。経年変化した感じもそっくり。
後は福島県田村市の「阿武隈石」。堆積岩の柔らかさ、石の質感共に似ていますね。神奈川県産の変成岩っぽい硬さはないので那須塩原近くの石のような気がします。
「筑波石」「阿武隈石」、どちらも可能性がありそうですが仕事しながらどこの石か考えてると時間が経つもの忘れてしまいます。また、石積みにも色々と作法があるのでその辺を石割りする前に確認したりすると作者の気持ちが伝わってきて感慨深いものがあります。
あと先祖の出身の石を持ってくるという傾向も一部には見られるので石の産地を言ってお客様が「先祖の墓があるところだ」とかなるとちょっと面白くなります。
ちなみに重さ5トンくらいある石でしたらいずれにしても「珍しい石」には分類されると思います。珍しさでいったら「阿武隈石」ですね。こんど「あぶくま鍾乳洞」に観光に行った際にでも見てきます。