銀行員時代の上司との再会


先日、銀行員時代の上司の方とお会いする機会がありました。そこで話題になったのが量的緩和が進んだ昨今の銀行営業について。

銀行員時代私は融資営業として主に船橋、市川地域を担当して回らせていただいていました。融資営業とは主に法人、個人事業主にお金を貸す仕事です。その際、よく上司から言われたのが「お金を借りられる余裕があるお客様は資金ニーズ(お金を借りる必要性)が無いことが多い、そこでいかにお金を借りてもらうか仮説を立てて営業すること」という言葉。

実際お金を借りるニーズがあるところは経営に行き詰っていて後ろ向きなお金を借りたいという場合が多いのです。銀行員の中にはこのようなお客様でも自身の営業成績重視でお金を貸してしまう方もいましたが私はこのようなお客様はお断りしました。

かといってお金を借りられる余裕がある会社にはすでに取引銀行があり、資金も足りている場合が多いのです。そこにさきほどの上司の言葉である「仮説」を立ててさまざまな営業方法を考えるのです。

よくある事例だと飲食店の新規開業。結構うまくいっている会社は新規事業で飲食店を展開する場合が多いです。この時は物件の紹介から、内装工事業者、冷蔵機器メーカー、厨房機器メーカー、各種免許届け出代行など色々提案できます。

直接お客様にお聞きすることもあるのですが、その前にまずある程度の「仮説」を考えて提案してしまうのです。特に新規営業の場合はお客様からニーズを聞くことは中々難しい場合が多いです。

この「仮説」から生まれた提案をする上では地方銀行が強みを発揮します。全国規模の銀行と違い、一地方に密着しているためその地方で事業を行う場合にはどこかにその銀行の支店網があるのです。事業展開についても一般的な話ではなく、その地域に対応した展開方法を考えられます。担当者もその地域出身であることが多いのも強みでしょう。

以上長々と書きましたが要約すると地方銀行には大きな可能性があるということ。人間関係が希薄になったいまは地元愛ってこれから大切になると思います。商売も地域に特化したことが受けるじゃないかと思ってます。

銀行員時代の懐かしい気分に浸りつつこの地方銀行マインドをうちの営業社員にも生かしてもらえるように「仮説」を立てる訓練をしてもらいましょう、と勝手にまとめた上司との再会でした。

船の引き揚げも信太商店へ